片山晋呉選手

片山晋呉選手は、後藤先生の評価がずいぶん高かった選手です。

当時、確か川岸良兼選手や丸山茂樹選手が、大学卒業後すぐにシードを取ったのに対して、片山晋呉選手はシード選手になるのに何年かかかっていると思います。
それでも後藤先生は、丸山選手よりも片山選手の方を大学生の頃からかっていた、高く評価しておりました。

丸山選手がフィニッシュで少し残るのに対して、片山選手の抜け出しの良さと、右腕の振れの良さを指摘しておりました。
でも片山選手は、練習などを見ていると、
右腕を使わないように、右腕の振れを殺そうとしているように見えますね。

片山選手に対して、後藤先生はたまに「わしが教えていないのに、わしが教えたように振る時がある」と言っておられたことがありました。
丸山選手と片山選手は戦うステージが違ったので、一概に比較はできませんが、5度の賞金王を取った片山選手はやはりすごいですね。
片山選手には、5度しか取れなかったと言っておられますが、5度賞金王を取った選手と言うのはなかなかおられませんね。

ただ本人はもっとやれたと考えておられるのでしょう。もし後藤先生に習っていれば、もっと賞金王を取れていたと思います。

これは想像に過ぎないですが、片山選手は後藤先生の有料エッセイを読んでおられたのではないでしょうか。
片山選手は、大リーグのプロ野球選手の写真がいっぱいあると言っておられましたが、後藤先生はよく日本の選手、松井秀喜選手や、イチロー選手、佐々木選手などの写真を見せて私たちに解説してくれたり、
大リーグの選手の写真も先生の住まいにはいっぱいありました。
バットをゴルフ界に持ち込んだのも後藤先生ですし、後藤先生は元プロ野球選手、野球の事とゴルフのことをつなげて話すことが多々ありました。


そんなことを雑誌やエッセイでも書いておられたので、それを見て片山選手は集めておられたのではないでしょうか?

ただ、パター論、アプローチ論は一切雑誌やエッセイなどにも書かず、一般公開された事はありませんでした。
だから、片山選手のパターとアプローチの打ち方はやはり全然、後藤理論とは違います。

一度、片山晋呉選手の順手のパターの打ち方を見たことがありますが、やはりこれではパターが入らないのではと言う打ち方でした。

ですからパターの打ち方が、何度も何度も変わるようになってしまうのではないでしょうか。

もし順手で正しい打ち方、入る打ち方ができていれば、当然アプローチも変わってき、5度の賞金王どころではなく、もしかしたら倍以上賞金王になっていたり、世界のメジャー大会で優勝できたかもしれませんね。
大学を卒業して、シードがなかなか取れない片山選手のことを後藤先生はよく褒めておられ、やはり後藤先生には見る目があるなと言うのをすごく感じたのを覚えております。

この間も片山選手は、冬のこの時期はアプローチの練習しかしないということを言っておられたそうです。

まさにその考えは後藤先生の考えで、後藤先生がよく言われてきたことです。

中島プロは、30ヤードのアプローチを覚えて、ドライバーを30ヤード飛距離伸ばしたと言うことをよく言っておられました。

ただ片山選手のアプローチの仕方は、後藤理論のものとは全く違うものです。

片山選手がレッスンを受ける姿や、レッスンをする姿を映像で見ましたが、やはり筋肉の遊び取りの理論__若い選手がやればその打ち方でもまっすぐ飛ぶかもしれないけれど、年齢のいった選手、30代後半から40代に入ってきてそれで打っていると真っ直ぐいかなくなってくる__と言うような理論に感じます。

正しくインパクトゾーンを作る理論がない。
若い頃は、足を使わない、腕を使わないと言う感覚で振っても、使えているものです。
体が柔らかいから。

でも年齢が行ってくると、筋肉や骨が硬くなり、正しく使わないとまっすぐ飛ばなかったり、インパクトゾーンが作れなかったり、飛距離が落ちてきます。

ジャンボ尾崎選手が、35歳までで約35勝し、後藤先生に教わってから、65勝位したのではないでしょうか。
後藤先生に教わってからの方が、2度目の全盛期の方が成績の良い選手などと言うのはこの世の中にはおられないと思います。

そして後藤先生は、ジャンボ尾崎選手をスランプから復活させるときに

「わしは技巧派で復活させるのではなく、
もう一度、飛ばし屋として復活させた」

と言っておられました。

プロ野球選手のピッチャーでも、若い頃は速球派だったのが、年齢を重ねるにつれて技巧派に変わって勝っていくと言うことはありますが、もう一度速球派で復活すると言う例はあまりないそうです。

ゴルフでも飛ばし屋で勝っていた選手が、飛距離を落として、ショットなどの精度を上げて復活すると言う事はあっても、年齢がいって尚飛ばし屋で復活すると言う例はほとんどないように思えます。

ジャンボ尾崎選手も凄いと思いますが、後藤理論の素晴らしさが現れた良い例ではないでしょうか。

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